不正咬合と治療例

悪い歯並び(不正咬合)と言っても、様々な種類があります。顎や歯の大きさにより一人一人異なった歯並びをしているのです。つまり、歯並びにも人それぞれ個性があるのです。
スタンダードエッジワイズ法は、患者さんそれぞれの歯並びに合わせて矯正装置を調整していきます。ですから、複雑な症例にも対応できるのです。

以下より代表的な症例をご紹介します。もちろん患者さんそれぞれ歯並びは違いますので、ご心配な方は、ぜひ専門の矯正歯科医にご相談してみてください。

上顎前突(出っ歯)

上顎が前に出ている症状で、いわゆる出っ歯もそのひとつです。歯槽性(歯と歯列弓)に問題がある場合と、骨格性に問題がある場合があります。
歯槽性に問題がある場合は、矯正装置で歯を動かしてあげます。骨格性に問題がある場合は、上顎の過剰な発育を抑えたり、下顎の成長を促したりします。

A君(男子・11歳~・2年6カ月)

【治療の概要】
主訴: 上の前歯が出ていて口が閉じにくい
診断名あるいは主な症状: 上顎前突(出っ歯)
年齢: 初診時11才
治療に用いた主な装置: マルチブラケット装置
抜歯部位: 上下顎左右第一小臼歯
治療期間: 2年6カ月
保定期間: 動的治療期間と大体同等となります。(症例により保定期間は異なります)
治療費概算: 約885,000円(税込)※毎月の調節料含む総額
リスク副作用: 歯を動かす際に歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。

下顎前突(受け口・反対咬合)

上下のかみ合わせが逆になってしまっているものは反対咬合と呼ばれ、総称として下顎前突といいます。上顎の発育が小さすぎる場合と、下額の成長が過剰な場合におこります。
矯正装置だけで治せる場合と、顎変形症として外科手術が必要な場合があります。

Bさん(女性・18歳~・2年)

【治療の概要】
主訴: 上下のかみ合わせが逆になり、上の前歯が内側に入っている
診断名あるいは主な症状: 下顎前突(受け口・反対咬合)
年齢: 初診時18才
治療に用いた主な装置: マルチブラケット装置
抜歯部位: 非抜歯
治療期間: 2年
保定期間: 動的治療期間と大体同等となります。(症例により保定期間は異なります)
治療費概算: 約852,000円(税込)※毎月の調節料含む総額
リスク副作用: 歯を動かす際に歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。

叢生(乱ぐい歯・八重歯)

顎に入りきらず、でこぼこに生えてしまった歯並びを、叢生(そうせい)といいます。
八重歯もそのひとつです。歯が重なり合っているため、歯みがきが難しくなります。

Cさん(女子・12歳~・2年)

【治療の概要】
主訴: 歯並びがでこぼこになっている
診断名あるいは主な症状: 叢生(乱ぐい歯・八重歯)
年齢: 初診時12才
治療に用いた主な装置: マルチブラケット装置
抜歯部位: 上下顎左右第一小臼歯
治療期間: 2年
保定期間: 動的治療期間と大体同等となります。(症例により保定期間は異なります)
治療費概算: 約852,000円(税込)※毎月の調節料含む総額
リスク副作用: 歯を動かす際に歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。

開咬

奥歯を噛みしめても、前歯がかみ合わず隙間が開いている症状を開咬(かいこう)といいます。
食べ物を前歯で噛むことが出来ず、また、かみ合わせが悪いため、顎関節にも負担がかかります。息が抜けて、発音も不明瞭になる場合もあります。

Dさん(女子・15歳~・2年6カ月)

【治療の概要】
主訴: 奥歯をかみしめても、前歯など一部の歯がかみ合わず、上下に隙間があいてしまう
診断名あるいは主な症状: 開咬
年齢: 初診時15才
治療に用いた主な装置: マルチブラケット装置
抜歯部位: 上下顎左右第一小臼歯
治療期間: 2年6カ月
保定期間: 動的治療期間と大体同等となります。(症例により保定期間は異なります)
治療費概算: 約885,000円(税込)※毎月の調節料含む総額
リスク副作用: 歯を動かす際に歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。

埋伏

本来生えるべきはずの歯が、歯ぐきの中に埋まってしまっている症状を、埋伏といいます。
埋まっている歯を外科的に露出させ、矯正装置で歯の隙間をつくり、そこに埋まっていた歯を移動させてあげます。

Eさん(女性・19歳・2年)

【治療の概要】
主訴: 歯が歯肉の中に埋伏してしまっている
診断名あるいは主な症状: 埋伏
年齢: 初診時19才
治療に用いた主な装置: マルチブラケット装置
抜歯部位: 非抜歯
治療期間: 2年
保定期間: 動的治療期間と大体同等となります。(症例により保定期間は異なります)
治療費概算: 約852,000円(税込)※毎月の調節料含む総額
リスク副作用: 歯を動かす際に歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。

顎変形症(外科的矯正治療)

顎の骨が過成長や劣成長により前後・左右あるいは上下に不調和が生じている場合、装置による矯正治療だけでは骨格的な不調和を改善することができないので、外科的矯正治療が必要になります。
顎変形症の場合は、保険治療が適応になります。ただしすべての医院が保険治療が可能なわけではありませんので、事前に確認が必要です。

Fさん(女子・17歳・2年)

【治療の概要】
主訴: 顎が出てしまい上下の噛み合わせが逆になってしまう
診断名あるいは主な症状: 顎変形症
年齢: 17才
治療に用いた主な装置: マルチブラケット装置
抜歯部位: 非抜歯
治療期間: 2年
保定期間: 動的治療期間と大体同等となります。(症例により保定期間は異なります)
治療費概算: 保険適用 200,000円
リスク副作用: 歯を動かす際に歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。

【治療内容】

治療内容:矯正装置を装着して歯を少しずつ動かし、歯並び・口元を整えていきます。
治療期間及び回数:平均的に見て動的治療期間はおおよそ2年が目安になります。/その間、1カ月に1回の感覚で通院いただき、保定期間は1年半から2年半程度/3~6か月に1度通院いただきます。
一般的な治療費概算(自費):約88万円 ※症状や矯正装置によります。

リスク・副作用:
・リテーナーを使用しないと後戻りがあります。・個人差はありますが、初めて装置を付けた時は疼痛や圧迫感などが生じます。
・治療前後の比較で稀に歯根吸収が見られることがあります。
・稀に歯が癒着していた場合、動かないことがあります。
・不正咬合の状況により、歯肉退縮やブラックトライアングルが見られる場合があります。
※ 矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。

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